歳時記

かつて、月の満ち欠けを見つめながら暦に即し生活していた日本人の暮らしの中には、その季節ごとの祝いがあり、太陽暦が導入された後の今もなお、私たちの生活に受け継がれています。

表情豊かな日本の四季を背景に、その節目節目のお祝いを彩ってきたのが和菓子です。

忙しく流れて行く現代の暮らし…

そんな中でも、特別な日の特別な和菓子は、皆様の暮らしにひとときの潤いと余裕を与えてくれることでしょう。

九月九日は重陽(ちょうよう)、別名「菊の節句」です。
古代中国では菊は「翁草〔おきなくさ〕」「千代見草〔ちよみくさ〕」「齢草〔よわいくさ〕」と言われ、邪気を祓い長生きする効能があると信じられていました。
その中国の影響を受けて日本では、奈良時代から宮中や寺院で菊を観賞する宴が行われています。
また、菊の着せ綿(きせわた)といって八日の夜に菊に綿をかぶせ、九日に露で湿ったその綿で体を拭いて長寿を祈っていたとされ、 枕草子や紫式部日記の中でもその風習をうかがうことができます。

イラスト(C) 千野盈靖
御菓子処 千野【住所】〒386-0012 長野県上田市中央3-2-18