かつて、月の満ち欠けを見つめながら暦に即し生活していた日本人の暮らしの中には、その季節ごとの祝いがあり、太陽暦が導入された後の今もなお、私たちの生活に受け継がれています。
表情豊かな日本の四季を背景に、その節目節目のお祝いを彩ってきたのが和菓子です。
忙しく流れて行く現代の暮らし…
そんな中でも、特別な日の特別な和菓子は、皆様の暮らしにひとときの潤いと余裕を与えてくれることでしょう。
お正月といえば餅。 古来より、餅はお祝いに欠かせないものですが、 近年、新しい年の始まりを祝う和菓子として人気なのが「花びら餅」です。 宮中の正月の行事食、菱葩(ひしはなびら)が元となっており、丸い白餅に紅の菱餅と味噌餡を置き、甘煮にした牛蒡(ごぼう)をはさんで半円状に折った菓子です。 また、縁起物やその年の干支、宮中で行われる新年歌会始の御勅題などに因んだお菓子が店頭に並び、新春の華やかさを演出します。